新茶(平成12年:2000年)5月26日

 7月1日更新 
 煎茶の常磐木が新茶になりました。香味ともよく乗っております。ただ、つい先月までは、価格表の欄でご案内の通り、蔵がこいで保存してまいりましたので、他の銘柄と較べますと、お味は強くなります。
 これは一年かけて自然熟成させたお茶と、新茶の相違で、つい30年くらい前までは当たり前のことでした。

 6月17日更新 
 今年の新茶は、本日をもって完売いたしました。ここで申しております新茶とは、「新茶についてをご参照下さい。
 この先は、仕上茶の形でご用意させていただきます。今日現在,煎茶の「都の緑」は新茶でご提供できます。また、今後、仕上茶が新茶になり次第このページでご案内いたします。
 なお、仕上げの新茶とは、去年のお茶と、今年とれた新茶のブレンドものです。新茶は爽やかな香りと色を有しますが、味の深みがもの足りません。対して、旧のお茶はコクの点で新茶を遙かにしのぎますが、旨みが乗っている分色を犠牲にしております。これを適度にブレンドし秋口に100%の新茶に持っていくのが当舗の昔からの手法でございます。

 6月3日更新  
 おかげさまで24日までに入荷の品(2000円の品)は全て売り切れました。
 只今ございますのは、26日入荷の1000円/100gの品のみでございます。
 また今後、仕上げ茶を新茶でご用意させていただく準備に入っておりますので、今しばらくお待ち下さいませ。

 5月26日更新 
 和束町原山の新茶が入荷しました。原山は和束の中でも奥の方に位置し、じっくりと芽の伸びる環境にあります。
 このお茶は例年、秋まで寝かせておいて都の緑のブレンド用に使うお茶ですが、今回仕上げの煎茶としてご用意いたしました。
 例年ですと新茶の価格もかなり安くなっている時期ですが、今年は低価格のものに新茶らしさが見受けられないため、ご用意いたしました。本来秋まで寝かせるお茶ですので、旨み・コクを求められますと、それは2000円の品に譲らざるを得ませんが、しっかりと苦渋味と香気の爽やかな新茶らしい新茶です。
                    
 5月25日更新 
 24日のお茶はおかげさまで売り切れました。それと隣接地区のお茶ですがやはり香気の乗りが弱めで、旨味の強い品です。但し
、新茶らしい味の強さは昨日のものよりやや強めです。

 月24日更新 
 本日入荷の品です。
 香気がやや薄めですが、コクのあるお茶です。
 今年は5月に入っても低温傾向が続き、芽がじっくりと伸びたようで、旨味を多く含んでしまったようです。 旨味を含んでどこが悪い!とお叱りを受けそうですが、もう少し苦渋味がしっかりした方がより新茶らしいと思うのですが、贅沢でしょうか?それでも、一般に出回っている物よりは遙かにしっかりとしているとは自負しております。

 5月19日更新 

 本日入荷しました。茶樹はやぶきた品種です。
 5月8日の品と較べて、香気は同じくらいですが、やや滋味が甘めでございます。
 これは最近の傾向で、大多数の方々が好まれる味です。
 但し、当舗の考える新茶はもう少し渋く、苦い物なのですが…
 今年はこれ以上の品は出ないと思います。また、これより下の品は、今とれたという意味だけの新茶で、新茶の最低条件である香気を感じられません。この品が今日現在のお薦めです。

 5月8日更新
 おかげさまで5月4日・5月5日の品は売り切れました。
 ようやく「やぶきた品種」による新茶の生産に入りました。「やぶきた」とは、国内の多くの茶園で植栽されている木の品種で、標準的なお茶と言って差し支えないと思います。特に新茶の場合は、爽やかな香気が立って、おすすめできます。
 本日入荷の品は、昨年は4月末に製茶したのと同じ茶園の物です。昨年は十年ぶりの良作で、香気も立ち、3000円でお願いしましたが、今年は収穫が遅かったことによる相場の弱さ、昨年ほどの強い香気がないこと(一般に市販されている物よりは遙かによい香気をもっております)やや蒸し方が強く柔らかく仕上がったこと(若干水が濁ります)等を考慮して、2000円にてご提供させていただきます。

 5月5日更新  
 おかげさまで、5月4日入荷の品は売り切れました。
 尚、本日その隣の茶園のお茶が入荷しました。昨日の品よりも多少味が柔らかめ(甘め)でございます。但し、一般に見受けられるような甘ったるさはありません。
 
 5月4日更新 
 本日、下記の宇治新茶が入荷しました。産地は宇治茶の本場、和束町白栖でございます。
味は昔ながらの新茶の「爽やかな苦渋味」を重視したもので、気持ち温度を下げたお湯で淹れてやると、奥底にほのかな甘みを感じます。昨今流行の舌に媚びるような甘い新茶とは一線を画しております。また、水色は山吹色に澄み、これも最近よく見受ける緑色に濁ることはありません。

 なお、7日から8日にかけて、次の茶園の茶摘み、製茶を行う予定でおります。入荷次第、下表に付け加えてまいります。

入荷日 価 格 100g 産 地 特      徴 その他
5月26日
入荷
1000円 和束町
原山
仕上げの新茶です。爽やかな苦渋味と香気が特徴です。旨み・コクは2000円の品に譲らざるを得ませんが、そこは価格の差、お含み置きください。
5月25日
入荷
2000円 和束町
門前
やや苦渋味がしっかりしていますが、後味のコクと甘みもしっかりしています。香気はやや薄めです。
5月24日
売り切れました
2000円 和束町
やぶきた品種で後味にコクがあります。香気は以前の品の方が強かったと思います。香気よりコクで呑んでいただきたい品です。 おかげさまで売り切れました
5月18日
売り切れました
2000円 和束町
やぶきた品種で、良香の立つお茶です。やや甘みが強く、苦渋味はおとなしい感があります。 おかげさまで売り切れました
5月8日
売り切れました
2000円 和束町
原山
やぶきた品種による標準的な新茶香の立つ品です。今年は収穫が遅れたこと、昨年に比べ香気がやや薄いこと、やや蒸しが強く、柔らかく仕上がっております。(水がやや濁ります) おかげさまで売り切れました
5月5日
売り切れました
2000円 和束町
白栖
上記5月4日の隣の茶園のお茶です。概ね同じ内容ですが、多少味が柔らかめ(甘みが強い)です。 おかげさまで売り切れました
5月4日
売り切れました
2600円 和束町
白栖
香気は、新茶香とやや茶樹の品種香が感じられます。爽やかな苦渋味が強く、やや温度を下げてじっくり淹れるとほのかに旨味を感じる新茶らしい新茶です。 おかげさまで売り切れました


 4月29日更新 
 早くから、新茶のお問い合わせを多数頂きありがとうございます。当舗では生粋の宇治茶以外は扱いませんので、今しばらくお待ち下さいませ。
 昨日、茶園の方から連絡があり、このままの天候が続けば、連休の後半に製茶が始まり、連休明けからの週の後半及び、その次の週が最盛期となりそうとのことでございます。
 入荷次第お知らせいたします。

 4月12日更新 
去る四月十日、京都府立茶業研究所が、一番茶の「萌芽」を宣言しました。
 萌芽が宣言されますとその後、およそ、ひと月程度で、茶摘みから製茶へと進んでまいります。
 従いまして、今年の新茶の最盛期は、連休中から、明けにかけてが一応の目安となります。
 勿論、茶園の環境によってそれよりも早い圓も出てきますが価格も落ち着く連休明けの品が今のところお薦めです。
 いずれにしましても入荷次第、本ページにおいてお知らせいたしますので今しばらくお待ち下さい。


新茶について

 昨今、年間を通じて「新茶はいつ頃出るのか」とのお問い合せを頂戴するようになって参りました。新茶は、四月の声と共に鹿児島の離島物と呼ばれる物が出始め、次いで鹿児島産(知覧等)が例年で四月の二十日前後、静岡産がその一週間程度あとに、そして宇治の品は四月の末から連休にかけて出始めるのが例年のパターンです。
 当舗では、宇治茶のみを扱っておりますので、基本的に五月の声を聴いてからのご用意となるのが通例でございます。また、はしりの品は質的に優れているものの必要以上に高価であまりお奨めできません。むしろ連休明けの品が香味がよく乗り、価格も落ち着いて良いかと存じます。
 そういう訳で、例えば7月以降に新茶はあり得ません。勿論、秋でさえお茶は一部で生産されますし、今できたという意味では新茶かも知れませんが、いわゆる香り豊かな爽やかな新茶は、五月から六月半ばまでと申して差し支えないと思います。

 尚、茶道をの心得のある方々はご存じのことですが、秋に「口切り」という行事があります。
口切りとは、その年の春に製茶されたお茶を、壺に入れ、密封の上秋まで眠らせておきます。そうすることで、新茶特有のとげとげしさが丸くなり、旨味とコクが乗るわけです。
茶道では特に「口切りの茶事」という会が催されたりしますが、伝統的な茶のあり方を心がけて商う者は、抹茶はもとより、煎茶・玉露でもこの作業を行います。

 この口切り茶を、一部混同して新茶と呼ぶ人が最近増えているようです。

 昨今、食べ物の味についてやたら「甘い・まろやか」がもてはやされており、茶農家においても柔らかな味造りが主流となりつつあります。しかしながら、当舗の思う新茶とは、爽やかな意味での苦渋味とコクが強く茶葉そのものの香りのたつものと云うことでございます。
 まろやかなお味の茶とは、肥料をしっかりやること・茶園に覆いをかけて栽培すること等で作られますが、反作用として香気が薄れ、新茶らしさが弱まると考えます。せっかくの季節感を味わうならば、良い意味での苦渋味のある香りのたつ新茶をお勧めします。
 
 また、「甘い・まろやか」なお茶をお好みなら、熟成の進んだ前年のお茶の方がお奨めです。
 
 なお、当舗では新茶の予約販売は行っておりません。新茶はその年のお茶の出来により、相場が大きく変動するため、予め販売価格を設定することが不可能と考えるからです。いずれにしましても、当舗では生粋の宇治新茶のみをお届けするため、おおよそ連休前後になると存じます。
価格については決まり次第本ページにお知らせいたします。また、予めお
知らせいただけましたら、メール等でもお知らせいたします。今しばらくお待ち下さいませ。

新茶と普通のお茶とはどう違うのでしょうか?
 新茶も年間を通じて商っておりますお茶も、元々は同じもので、全て4月末から5月一杯にかけて作られます。(一部6月中旬の二番茶もございます)
茶摘みで摘まれた新芽は蒸して発酵を止めたあと、乾燥しながら揉み込まれますが、仕上げの乾燥をごく軽くしただけで、お届けするのがいわゆる「新茶」です。そのため茎や粉が混じっております。(茎や粉を除くときに空気にさらすことで新茶特有の香りが逃げてしまいます。)反面、軽い乾燥のため、新茶特有の香りが活きますが、日持ちが致しません。
 爽やかな香りと、いい意味での苦渋味を旬に楽しんで頂くのが新茶です。


  これに対し、年間通して商っておりますものを「仕上げ茶」と呼びます。これは「葉」「茎=雁金」「粒状=真」「粉茶」に選別し、しっかりと乾燥をかけます。この乾燥で新茶特有の香気がとんでしまいます(お茶としての香りは勿論残します)。そのかわりに年間を通じて安定した品質を保てるわけです。
 また秋以降の仕上げ茶は熟成が進み、コクもあり深みのある味をお楽しみ頂けます。
 上記の「葉」の部分を「仕上げ茶」または「本茶」と呼び、その他を「出物=でもの」と呼びます